先輩達からメッセージMessages from seniors
黒田康介
一橋大学商学部経営科卒業
野村証券インベストメントバンキング部門で、投資銀行のM&Aとか資金調達などに従事。
チェーン化する飲食店を基盤に求め、新たな飲食ビジネスを模索し続けており、
新業態を含めた業態開発とそのビジネスモデルの構築で業界に新しい風を作っている。
トライ&エラーから蓄積されていくシナリオは無駄を削ぎ落しながら飲食における本質に迫っており、
遠くない将来業界の風雲児になる可能性を秘めた若き才能として評価されている。
自分で何かやりたい。みたいな想いが常にあった。
社会人時代から脱サラするつもりで考えていました。
1992年生まれ32歳
一橋大学商学部経営科卒業
野村証券インベストメントバンキング部門で、投資銀行のM&Aとか資金調達に関わっていた。
ただ基本的に大学で経営学選んだ時もそうだったんですけど、
自分で何かやりたい。みたいな想いが常にあった。
それは何でもよかった。特に飲食に強いこだわりがあったとかではなかったんですよね。
とりあえずその時は脱サラしたいっていう想いで、
社会人4年目の頭に。
なんで飲食ってなったかっていうと、今の自分に何ができるかな。っていうベースで考えた時に、飲食って凄い好きだし、できるかな。って思った。
証券会社に入ったのも脱サラする前提でした。開発とか事業戦略とかそこら辺を幅広く全般的に見れるし、学び多いかな。って。
飲食は作ることも趣味だった、やってみたいと思った。
で、じゃあ飲食やるなら何かな?って。
色んな選択肢を実は温めてた。
カレーは特にずっと。ただ最初にオープンしたお店は焼きそばの専門店でした。
当時焼きそば専門店ブームみたいな雰囲気あって、大手とかの参入もあり、焼きそばも悪くないんじゃないか。と。で、自分で作ったら思った以上に手応え感じて軌道修正というか直感で焼きそばを選びましたね。
周りからは反対もありましたよ。
ただ経歴考えると皆逆に珍しすぎて応援してくれてましたね。
大学もそうですけど、証券会社卒業して飲食やってる人って本当にいないので。
ただ僕はなんだかんだやっぱ飲食店楽しいな。
っていうのがあるんでぶれなかったですね。
気づいたら借り入れしてて、賃貸借契約も結んでました。
最初は飲食でバイトした経験も無かったんで、コンサルの人の話し聞きに行ったり、
後飲食でバイト経験長い子採用して働いてもらったりしながら、
ちょっと勉強しながらの最初の1業態目って感じでしたね。
立地も当時開業する合理性とか考えてなくて、
下北沢っていう立地で始めたんですけど、
今思えばマーケティングとかなくて、なんか新しいことはじめるのに下北だろ。っていう。
もうほんと何も考えていない1店舗で。
開業資金としては800万ぐらいは貯めてましたね。
で調達合わせてトータル1500万ぐらい。事業計画とかの作成は一丁前に出来たんで。
ほぼ全部それを突っ込みましたね。
飲食やるって決めてからは仕事続けた期間も入れて1年以内でオープンしたと思います。
麺屋さんからサンプルもらったり、ソース研究したり、自宅でずっとやってました。
ただ内装屋さんとかも全然知らなくて、若いな。って。
ただ今思えば若かったからできたんだよな。って思います。
早くやることに意味もあって、もちろん何も知らなかったから精度は低いし、
色々無駄な出費とかもめちゃくちゃ多かったですけど。
下北沢ってそもそもあんまりご飯にお金使いに来る街ではなかったですね。
もちろん下北沢で長くやってるお店さんとかもあるんですけど、
しんどいが勝つかな。って。
でも当時なんか自信あったんですよ。良く分からない自信が俺なりに。
でもそんな簡単じゃないですよね。
焼きそばは市民権はあった。
証券会社時代、神保町にいてみかさがもう死ぬほど行列作ってたのをずっと見てた。
後焼きそばってカップ麺で食べてる。だからマーケット自体は多分あるんだろうから、
そこに専門店ってあったら結構楽しんでもらえる可能性はあるな。って。
ただ僕の発想の中では、
そもそもチェーン化が根底にある。
だから店舗を個人レベルで回していければ良いというわけでは無くて、
やっぱりある程度の規模感持ってやっていきたいな。っていうのがあって、
その流れから考えるとやっぱり少しハードル高くて、確かに美味しいし、
バリエーションとか増やしやすいんですけど、
人を育て展開するには時間がかかる。っていう判断でしたね。
僕の発想の中では、
そもそもチェーン化が根底にある。
だから店舗を個人レベルで回していければ良いというわけでは無くて、
やっぱりある程度の規模感持ってやっていきたい。
そんな中話しがたまたま来たのが、
バナナスタンドという業態で、
焼き麺も神保町に2店舗目出して、メディアとかにめちゃくちゃ取り上げてもらってたんですけど
ちょうどその時コロナも重なって。お客さんも来なくなって、街から人が誰もいなくなって。
焼きそばはたぶん俺がやりたかった飲食の形ではない。ってなって。
焼きそばの反省も含めて、ひたすらワンオペアルバイトで、
1時間だけ研修受けたら誰でもできるよね。っていうオペレーションでできることないか。って思って
バナナジュースの専門店を始めました。
コロナ禍ってもあって、テイクアウト業態でもそれなりに行けるんじゃないか。
ていう気持ちもありました。
京王電鉄の駅構内の話しだったので、駅ナカで日常利用してもらえ、
かつ専門技術のいらないジューススタンドって最高だな。ってなりましたね。
実際出店直後は日販700杯近くを売れるモンスター店舗で、
焼きそばで同じ売上上げようと思ったら、かなりしんどいですが、
これならアルバイトがミキサー回して教育もいらないので期待が持てました。
バナナジュースはまだ当時銀座に1店舗ある程度で、
そこまで認知無くて、タピオカが終わったくらいだったんで、
その後バナナみたいな流れもあって。もちろん研究もしました。
元々食べ歩きが日課みたいな所あるんで、
それと業界ではとても有名なバナナの仲卸さんとかに飛び込みして。って感じで。
そのバナナがとても美味しかったんで、これならいけるってなりました。
1店舗目出して、反響すごくて、すぐに3店舗まで展開しました。
その後もすぐ投資回収できるので、融資ないまま7~8店舗ぐらいまで展開しました。
ココイチさんをリスペクトしてるからこその弐番亭。
その頂きには追い付けなくても、自分の理想の形。
ココイチさんがメガチェーンになったからこそできなくなった、
+1要素やどこかに感じる個人店らしさを弐番亭で追及していきたい。
その黒田氏が今まさに手掛けたのが、本命ともいえるカレー業態への参入ということになる。
間借りでのオープンが2023年2月、そして店舗取得後のグランドオープンが2024年5月、
取材時はまさにその滑り出しと言える時期だった。
バナナを経て改めて振り返った時、
やっぱりチェーン店を作りたい。だった。
焼きそばから始まり、オペレーションの簡素化に苦しみ、教育コストで無理となり、
バナナは出店地と需要創出がかなり限定されることも分かった。
その反省から立ち上げたのが元来やりたいと考えていたカレーだった。
カレーに関してはマーケティングにおいても、
すでにマーケットとしてあることが分かっている。
今までの焼きそばやバナナのように新たなマーケットを創出する必要がなく、
しかもトップランナーとしてココイチさんが走っている。
ウチはココイチさんには追い付けないけど、
思いっきりココイチさんをオマージュして、ココイチさんでは出しきれないものも出していく。
そういう意味も込めて弐番亭と名付けました。
カレーはそもそも仕込み9割。
つまりちゃんとしたカレーを届けることで、お店の教育コストは圧倒的に下がるということ。
+誰でもできるよね。ある程度研修することで、
出されている商品はなんとなく作られたものではないけど誰でも出せる。っていうのが
今まで自分のやってきた業態の色々合わせた踏まえた考えです。
全ての店舗形態には意味があったと思うし、外食自体にも意味がある。
身近なレジャー。なんとなく量産されたスーパーで売ってる惣菜とは違う。
外食する意味みたいなことですね。
価格設定でもココイチさんや創業者である宗次さんを尊敬してやまない所なんですけど、
ちょっと前に発表されたココイチの客単価は1108円、
他の隣にあるような牛丼屋チェーンが安売り競争に明け暮れている中、
創業から一度も値下げをしたことがない。
ウチのカレーはウチでしか食べれないし、それを安さでお客様を釣るようなことはしない。
っていう明確なポリシーがあったんで、これは本当に凄いことだなと思いましたね。
591円から始まる価格戦略からファットテールを作り上げるモデル構築まで。
そういうやり方を目指すべきなんだな。と感じていますね。
+α弐番亭の個性としては、残りの1割店舗での仕上げだと思っています。
研修制度や社内資格制度を高めて、
1200店舗持つ大規模チェーンではできない最後の店舗での手仕込み感や手作り感、
大手チェーンが排除してきたことを復活させることが
これからの個人店の感じも残した新しいチェーン作りの形ではないかな。と考えています。
メッセージMessages
開業者に届くメッセージ
自分自身、焼きそば、そしてバナナからもとても多く学んだ。
特に立地によって売れる売れないも明確に出てきて、
コロナ禍から明ける中で、確実性を見極めていくことができた。
特にテイクアウトではお客様が感じる消費体験という点は新しい発見で、
ここを伸ばす考え方、空間でチルする付加価値みたいなものの追求みたいなことも大切だと気付かされた。
立地の見極め、自分が出す業種業態によって、例えばバナナスタンドでは特に駅構内も良いが、
ショッピングセンター内などは需要が高く、空間提供などの環境整備自体も施設側が行う為、
返りが高いところもあります。
自分達は味へのこだわりや安売りしない価格戦略の中で、
今後お店や商品のポテンシャルや業態ニーズを通して、
自宅で楽しむ以外の楽しませ方や需要の見極めも課題と考えています。
開業に二の足を踏むぐらいなら止めた方がいい、でもやるかやられるかでもない。
もし本気でやろうとするなら、いきなり店舗を持つことだけが答えではないですよ。
自分もこのお店を持つ前に約1年自分の希望する出店地にあるお店に頼んで、
定休日を使って間借りさせてもらい試しにカレーの販売を異なる地域2店舗でさせてもらいました。
リスクだと思うならその前に間借りで一度やってみるっていう答えもいいんじゃないですか?
お店の経営はインスタの運用だけ上手くてもダメ。
長期で考えて、10年後に残る想いで頑張って、
そして最後にはやっぱり楽しめないと続かないですよ。
カレーの弐番亭
カレー/ジューススタンド
7/1/2018
4店舗(バナナスタンド3店舗含む)
東京
バナナスタンド